【脚質(きゃくしつ)】競馬に興味がある初心者が押さえておきたい話!vol.10
「脚質」(きゃくしつ)とはなにか?
レースを観ていると、「この馬いつも後ろのほう走ってるな~」「今日も前のほうに行こうとスタートから頑張ってるな~」などと気づくと思います。
馬にはそれぞれ「脚質」(きゃくしつ)と呼ばれるものがあります。
これは馬が得意とする「戦法」のことで、馬がレース中にどのあたりのポジションにつけるかをあらわします。
4つの脚質を覚えよう
脚質には主に4つあります。
下の図を参考にしてみてください。
- 「逃げ」
「逃げ」とは、レースが始まってまず先頭を走ることをいいます。
レースの展開のカギを握るので、「どの馬が逃げるのか」を見極めるのは予想する際に重要です。
たとえば逃げ脚質の馬がたくさん出ているレースで、「逃げたい」と強い気持ちがある馬が多いと、逃げ争いが起こってペースが上がり、みんなが共倒れになるケースがあります。
逆に競ってくる馬が少ないと、スンナリ逃げることができ、そのままゴールまで残りやすくなります。
逃げ馬は、
・スピードを制御できない
・周りに馬がいると集中できない
などの理由で、「逃げ」脚質になるケースが多いです。
ですから、気持ちよく逃げれると圧勝する反面、どこかで気分を害してしまうと惨敗するなんてパターンがよくあります。
馬券的にもなかなか面白い存在です。
圧勝して次に人気になったかと思えば、上手く逃げれずに大敗。
人気を落としたけどそのあとのレースでは、スイスイ逃げれて快勝するなんてことがよくあります。
- 「先行」
「先行」とは、レース中に集団の前のほうにつける脚質。
何番手までが「先行」という決まりはないのですが、たとえば10頭のレースだと2~4、5番手くらいまでにいる馬が「先行」というイメージですね。
先行馬の特徴は
・安定感がある
・後ろから行く馬に比べ、最後に伸びてくるタイプではない
逃げ馬と違ってモロさがある馬は少ないです。
前のポジションを取れるぶん、レースの展開にあまり左右されずに、自分の力を常に出せる馬が多いですね。
- 「差し」
「差し」はレースの途中で後ろのほうにつける脚質です。
差し馬の特徴は、
・最後のスパートに自信がある馬が多い
・前の馬に余力がある展開だと力を発揮できず終わるケースもある
安定感では先行馬に負けますが、最後のスパートする脚に魅力があるタイプが多い印象ですね。
- 「追い込み」
「追い込み」はレースのほぼ最後方のポジションにつける脚質です。
追い込み馬の特徴は、
・差し馬よりさらにスパート自慢
・レースの展開に左右されやすいうえ、かなり後ろからいくぶん前の馬が邪魔になり力を出せないリスクも大きい
追い込み馬と逃げ馬は対極な位置取りなんですが、馬が周りにいるとイヤがったり、性格に難があったりと案外似たタイプも多いです。
また、スタートが下手な馬も追い込み脚質にならざるをえなくなります。
安定感もなく少し問題はあるものの、勝つときは後ろからすごいスパートを決めるので、人気が出ることが多いですね。
ちなみに追い込みはデータ上、もっとも勝つ確率が低い脚質です。
- その他の脚質
「自在」
上の図にもありますが、どの位置につけても結果を出せる馬がまれにいて、「自在脚質」などと呼ばれます。
予想できない動きをするので、馬券的にはなかなか難しい存在ですね。
「マクリ」
脚質というか戦法なのですが、最初は後ろのほうに位置しつつ、かなり早い段階から逃げている馬を追い抜く勢いで上がっていって、ゴールまで粘ってしまおうという戦法を「マクリ」と言います。
脚質は変えられる
脚質転換という言葉があります。
本来その馬が得意としていた脚質を、騎手や調教師などが試行錯誤して違う脚質に変えてしまうことです。
たとえば
・逃げしかできずに不安定だった馬を、馬群(レースでの馬の集団)に慣れさせて差しができるようにする
・追い込み馬だったが年を取ってスパート力が無くなってきたため、先行馬にさせる
などです。
調教やレースで覚えさせて、馬がその脚質に慣れていきます。
まとめ
脚質は馬の個性を表します。
スピードをフルに生かして逃げてゴールする馬、最後の直線で最後方からごぼう抜きで勝利する馬など、名馬と脚質はセットです。
また馬券予想のためにも、脚質の基本的な特徴は覚えておくべきでしょう。